COLUMN 2026年、九十九里エリアの空き家はどうなる?
全国動向から読み解いてみた

2026年を迎えたいま、日本全国で「空き家問題」がこれまで以上に注目されています。テレビやニュースで取り上げられる機会も増え、「地方や過疎地の話」としてではなく、私たちの暮らしのすぐそばで起きている問題として語られるようになってきました。
実際、「気づいたら近所に空き家が増えていた」「実家を相続したものの、使い道が決まらない」といった声は、決して珍しいものではありません。人口減少や高齢化が進むなかで、住宅の数と住む人の数のバランスが崩れつつあり、空き家は年々増加しています。
こうした流れは、都市部だけでなく地方エリアにも確実に広がっています。海や自然に恵まれ、かつては住まいや別荘地として人気のあった九十九里エリアでも、空き家の増加は少しずつ、しかし確実に進んでいます。
とはいえ、空き家は単なる「問題」や「負担」だけではありません。視点を変えれば、活用次第で地域の資源になり得る存在でもあります。そのため近年では、国や自治体も「放置を防ぐ」だけでなく、「流通や活用を促す」方向へと舵を切り始めています。
本記事では、まず2026年時点での日本全国における空き家問題の動向を整理し、そのうえで九十九里エリアの現状を見ていきます。さらに、各市町で整備が進む「空き家バンク制度」についても触れながら、空き家とどう向き合っていくべきかを考えていきます。
2026年の日本全国における空き家問題の最新トレンド
空き家はなぜ増え続けているのか
日本の空き家問題は、ここ数年で急に深刻化したわけではありません。背景にあるのは、少子高齢化と人口減少という、長年続いてきた社会構造の変化です。特に2026年現在、団塊世代を中心とした高齢層が後期高齢者となり、住まいの相続や住み替えが一気に表面化し始めています。
その結果、「住む人がいなくなった家」が全国各地で増えています。相続したものの遠方に住んでいる、仕事や家庭の事情ですぐに戻れない、といった理由から、使われないままの住宅が空き家として残ってしまうケースが非常に多くなっています。
「放置空き家」が社会問題化している理由
空き家が問題視される最大の理由は、「誰も管理しなくなる」ことにあります。人が住まなくなった家は、想像以上のスピードで老朽化が進みます。屋根や外壁の劣化、雑草の繁茂、害獣の侵入などが起きやすくなり、周囲の住環境にも影響を及ぼします。
また、防犯面でもリスクは高まります。空き家は不法侵入や不法投棄の温床になりやすく、地域全体の安心感を損ねる要因にもなります。そのため空き家問題は、個人の財産の問題にとどまらず、地域全体の課題として捉えられるようになってきました。
国や自治体のスタンスはどう変わってきたか
こうした状況を受け、国や自治体の空き家に対する考え方も変化しています。以前は「所有者の自主的な管理」に委ねられる場面が多かったものの、近年では放置を前提としない姿勢が明確になってきました。
具体的には、適切に管理されていない空き家に対する指導や、活用・流通を促すための制度整備が進められています。単に取り壊すのではなく、「住まいとして再び使う」「地域に人を呼び込む拠点として活かす」といった考え方が、全国的に広がりつつあります。
2026年現在の空き家問題は、「増えている」という事実だけでなく、どう向き合い、どう活かすかが問われる段階に入ったと言えるでしょう。
数字だけでは見えない「地方エリア」のリアル
地方に空き家が集中しやすい理由
空き家問題を語る際、全国の統計データが注目されがちですが、実際の現場では数字だけでは見えてこない事情が数多く存在します。特に地方エリアでは、同じ「空き家」であっても、その背景や理由は一軒一軒異なります。
地方で空き家が増えやすい大きな要因のひとつが、生活スタイルの変化です。かつては通勤や通学、買い物に不便を感じにくかった立地でも、車社会の進行やライフスタイルの多様化によって、「選ばれにくい住宅」になってしまうケースがあります。
また、人口が緩やかに減少していくなかで、新築住宅の供給が続いた結果、住宅そのものが余ってしまう地域も少なくありません。これは住宅の質の問題というより、需要と供給のバランスが崩れていることによるものです。
「売れない」「貸せない」と感じてしまう背景
地方の空き家所有者からよく聞かれるのが、「古いから売れない」「貸そうにも借り手がいない」といった声です。しかし実際には、建物そのものの問題だけでなく、情報が届いていないことが原因になっているケースも多く見られます。
例えば、修繕が必要だと思い込んでいるものの、最低限の手入れで十分使える住宅だったり、立地や間取りに特徴があることで、特定の層には魅力的に映る場合もあります。それでも、「どう動けばいいかわからない」という理由から、結果的に空き家のまま放置されてしまうのです。
地方ならではの「もったいない空き家」
地方エリアには、少し視点を変えるだけで活用できる可能性を秘めた空き家が数多く存在します。自然環境に恵まれた立地、広めの敷地、ゆとりのある間取りなど、都市部では得がたい条件を備えた住宅も少なくありません。
にもかかわらず、情報発信や流通の仕組みが整っていないために、「誰にも知られないまま時間だけが過ぎてしまう」という状況が生まれています。地方の空き家問題は、単に住宅が余っているという話ではなく、活かしきれていない資源が眠っている状態だと言えるでしょう。
九十九里エリアでも進む空き家の増加
九十九里エリアの特徴と住宅事情
九十九里エリアは、海や自然に恵まれた環境を持ち、かつては定住用の住宅地としてだけでなく、別荘やセカンドハウスのエリアとしても発展してきました。東金市・九十九里町・山武市・大網白里市といった周辺地域には、今もその名残となる住宅が多く残っています。
一方で、2026年現在は世代交代のタイミングを迎えています。親世代が住んでいた家を相続したものの、子世代はすでに別の地域で生活基盤を築いており、「住む予定はないが、どうすればいいかわからない家」として空き家になってしまうケースが増えています。
九十九里エリアで空き家が増えやすい具体的なケース
九十九里エリアで見られる空き家には、いくつか共通したパターンがあります。例えば、以前は賃貸として利用されていたものの、入居者の退去をきっかけにそのまま空室となり、次の活用に踏み切れないケースです。
また、別荘や週末利用を想定して購入された住宅が、所有者の高齢化やライフスタイルの変化によって使われなくなり、管理が負担になって放置されてしまうこともあります。こうした住宅は、建物自体は比較的しっかりしているにもかかわらず、「使われないまま年月が経過してしまう」点が特徴です。
「まだ使える家」が眠ってしまう現状
実際に九十九里エリアの空き家を見てみると、少しの修繕や手入れを行うだけで、十分に住居として利用できる建物も少なくありません。広めの敷地や平屋建ての住宅など、現代のニーズに合う可能性を持った物件も多く存在しています。
それでも空き家のままになってしまう背景には、「どこに相談すればいいかわからない」「売るのか、貸すのか判断できない」といった所有者側の迷いがあります。九十九里エリアの空き家問題は、住宅の価値そのものよりも、情報や選択肢が整理されないまま時間が過ぎてしまうことによって深刻化している側面が大きいと言えるでしょう。
空き家問題への対策として注目される「空き家バンク制度」
空き家バンク制度とは?
空き家バンク制度とは、各自治体が主体となって運営する、空き家の「売りたい・貸したい人」と「住みたい・使いたい人」をつなぐ仕組みです。空き家の所有者が物件情報を登録し、移住希望者や住宅を探している人がその情報を閲覧・相談できる形が一般的です。
不動産ポータルサイトと似た側面もありますが、空き家バンクは営利目的ではなく、地域への定住促進や空き家の有効活用を目的としている点が大きな特徴です。そのため、住宅としての利用だけでなく、地域に根ざした暮らしや働き方を前提とした活用が想定されています。
なぜ各市町村が空き家バンクに力を入れているのか
空き家バンク制度が広がっている背景には、単なる住宅問題にとどまらない、地域全体の課題があります。空き家が増え続けると、景観の悪化や防犯面での不安が生じ、地域の活力が失われてしまいます。
そのため自治体は、空き家を「放置すべきもの」ではなく、人を呼び込むための資源として捉え直し始めています。移住・定住の促進、地域コミュニティの維持、さらには空き家の管理負担の軽減といった複数の目的を同時に達成できる手段として、空き家バンク制度が注目されているのです。
九十九里エリア各市町でも進む制度整備
九十九里エリアにおいても、空き家問題への対応として、各市町が空き家バンク制度を整備・運用しています。例えば、東金市、九十九里町、山武市、大網白里市などでも、それぞれの地域特性に合わせた取り組みが行われています。
登録条件や支援内容、相談窓口の体制は自治体ごとに異なりますが、共通しているのは「空き家を地域の課題として正面から捉えている」という点です。所有者にとっても、いきなり売却や解体を決断するのではなく、選択肢のひとつとして検討できる制度となっています。
制度を「知っているかどうか」で大きく変わる
空き家バンク制度は、積極的に調べなければ存在自体を知らないまま、時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。しかし、制度を知ることで「売る」「貸す」「管理を相談する」といった行動への第一歩が踏み出しやすくなります。
空き家問題を一人で抱え込まず、自治体の制度や地域の不動産会社と連携することが、負担を軽減し、空き家を次の世代へつなぐための重要なポイントになってきています。
空き家を「負担」にしないために、今できること
所有者がまず考えておきたいポイント
空き家を所有していると、「いつか使うかもしれない」「今は忙しくて考えられない」といった理由から、判断を先送りにしてしまいがちです。しかし、空き家は時間が経つほど選択肢が狭まっていくという特徴があります。
人が住まなくなった家は、定期的な管理を行わなければ劣化が進みやすく、結果的に修繕費や管理の手間が増えてしまいます。そのため、「使わない」と判断した時点で、早めに現状を整理し、今後の方向性を考えることが重要です。
「売る」「貸す」だけが選択肢ではない
空き家の対応策として、売却や賃貸を思い浮かべる方は多いでしょう。しかし実際には、それだけが唯一の正解ではありません。建物の状態や立地、所有者の事情によって、適した選択肢は異なります。
例えば、すぐに手放す決断ができない場合でも、定期的な管理を依頼することで負担を軽減する方法があります。また、将来的な活用を見据えて情報収集だけを進めておくことも、立派な第一歩です。「何もしない状態」を続けないことが、結果的に空き家を守ることにつながります。
空き家は「地域資源」になり得る
空き家は、見方を変えれば地域に新たな人の流れを生み出す可能性を秘めています。地方での暮らしや、自然に近い住環境を求める人が増えているいま、九十九里エリアの住宅は一定のニーズを持っています。
広い敷地や平屋建てといった特徴は、子育て世代やシニア層、二拠点生活を考える人にとって魅力となる場合もあります。空き家を「負担」として抱え続けるのではなく、地域にとって価値のある存在として捉え直すことが、これからの空き家問題に向き合ううえで欠かせない視点です。
一人で悩まず、相談できる環境を活用する
空き家の対応で悩んだときに大切なのは、すべてを一人で抱え込まないことです。自治体の空き家バンク制度や、地域事情に詳しい不動産会社に相談することで、これまで見えていなかった選択肢が見えてくることもあります。
2026年のいま、空き家問題は「個人の責任」ではなく、地域全体で向き合うテーマへと変わりつつあります。早めに動き出すことが、空き家を将来につなぐための最も確実な方法と言えるでしょう。
まとめ|2026年、九十九里エリアの空き家問題と向き合うということ
2026年現在、日本全国で空き家問題は確実に広がりを見せています。それは遠い地域や特別な事情のある人だけの話ではなく、誰の家族にも起こり得る、ごく身近な問題になりつつあります。
九十九里エリアにおいても、相続や高齢化、ライフスタイルの変化を背景に、空き家は少しずつ増えています。一方で、その多くは「もう使えない家」ではなく、判断や情報が整理されないまま時間が経ってしまった家でもあります。
各市町で整備が進む空き家バンク制度のように、空き家を放置せず、次につなげるための仕組みは確実に増えています。重要なのは、「どうするか」を決めきれないまま先送りにしないことです。知ること、相談すること、それ自体が空き家問題への第一歩になります。
九十九里エリアで空き家・空き地をお持ちの方のなかには、「売るべきか迷っている」「本当に価値があるのかわからない」「まずは話だけ聞いてみたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。そうした場合でも、すぐに結論を出す必要はありません。
東豊住宅では、九十九里エリアを中心に、空き家・空き地でお困りの方からの売却相談や無料査定を行っています。地域の特性を踏まえたうえで、売却・活用・今後の選択肢について、状況に応じたご提案が可能です。
- 空き家・空地など不動産の無料売却査定・買取依頼|東豊住宅
「いまはまだ決められない」「まずは現状を知りたい」――そんな段階でも問題ありません。空き家を負担として抱え込む前に、一度相談してみることで、これからの道筋が見えてくることもあります。
2026年をひとつの節目として、九十九里エリアの空き家問題を前向きに整理するきっかけとして、本記事がお役に立てば幸いです。